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Kawasaki Ninja250/Ninja400 試乗 『スモールニンジャはまた火付け役になるか!? 400がヤバい!』 | WEB Mr.Bike- psp-traumland.info

2017年12月6日

Kawasaki Ninja250/Ninja400 試乗 『スモールニンジャはまた火付け役になるか!? 400がヤバい!』

■文:ノア セレン ■撮影:渕本智信
■カワサキモータースジャパン 

 
クラス最強の39馬力。ものすごい軽量化。エンジンもフレームも完全新設計……。などなどなど様々な文句で大注目を集める新型ニンジャ250。今回オートポリスで試乗できたのは輸出仕様だけれど、おそらくこのまま国内投入されるだろう。

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ライダーの身長は186cm。


 

 
発表は年末ごろ、市場投入は春を目指して。

 あらゆる情報が独り歩きしているが、寒いオートポリスでカワサキ関係者に釘を刺されたのは「あくまで輸出仕様の話ですからね!」ということ。まだ正式に国内でどう販売するかはリリースされていないのだから先走らないように、とのことだった。しかしすでにコーションラベル類は日本語表記されており、それがこのプレス向け試乗会のためだけとも思えない。やはりほぼこのままのカタチで日本市場に導入されるのではないかと思われる新型ニンジャ250と400である。 
 簡単におさらいすると、250/400共に完全新設計。250は遡ればZZR250や、さらにはGPZ250とか、優に80年代から存在するエンジンをリファインしながらずっと使ってきたわけだが、それが今回とうとう完全新設計となった。パラツインという形式は同じではあるものの、最新ユーロ4規制などにも対応した最新のエンジンはまるっきり別物。ダウンドラフト吸気の採用やスロットルボディの大口径化などにより、なんとクラス最強の39馬力を発生するという(あくまで輸出仕様の話)。
 車体も完全新設計で従来型比7キロの軽量化。大きなカウルが前方に伸び、キャスターが立ったことでフロント周りに質量が移動したようなイメージで、エンジンのハイパワー化と同時にフレームや大径化したフォークでも近代的なスポーツ性能を追求している。
 そして驚くべきは400の方だ。かつては輸出仕様で300というのがあったのだが、これは旧型250と共に廃止され250と同時に完全新設計。クランクケースはほぼ同様というコンパクトなエンジンで、なんと車体は250と共通! 250の車体に400のパワーなのだからこれはバイク乗りの心をくすぐる設定だ。400ccは日本独自の排気量というイメージもあったが、カワサキ関係者の話では様々なマーケットがありニンジャ400は多数の地域で販売される予定だとか。確かに近年は世界的に見ると排気量ではなく馬力で分けられた免許制度があったりするし、他社ラインナップを見ても320cc、375ccなど排気量に縛られないモデルも目に付く。そんな中でカワサキが選んだのは400ccであり、日本の免許制度とも合致する、というわけだ。
 
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つまみ食い試乗……もっと食べたい!

 試乗当日はZ900RSがメインだったため、この2台のニンジャにはあまり時間を割り当てていなかったことを早々と後悔した。あまり予備知識がなく、かつ「輸出仕様だからね」と前置きされカワサキ側からの詳細の発表もなかった事情もあって、ニンジャ250には業務的に跨り走り出した。ところがこれがとても良い! 速いだとか軽いだとかそういった部分よりも、アクセルに対するレスポンスが従来型に対して圧倒的に良い。250ccという排気量では「この程度かな」と思う場面もあった従来型だったし、正直近代的な設計をもったライバルに対して旧さも隠せなくなっていたが、新型はこういった部分が(新設計なのだから当たり前だが)完全にアップデートされ、パワフルで緻密なエンジンに生まれ変わっていた。
 
 撮影のために低速走行や極低速での取り回しなど様々な乗り方をするのだが、全開走行をする前にその素性の良さに惚れ込んでしまった。エンジンレスポンスが素直でいつでも思い通りになると車体も素直に感じるものだが、車体側の設定でもキャスターがかなり立ったことで近代的なハンドリングになっていることに気付く。従来型は安定志向で前輪が遠く感じたのに対し新型はフロント周りがライダーに近づいたかのようで思いのままに動かせるイメージ。軽量化とエンジン特性による好印象も大きいだろうが、車体の自由度もかなり上がっていると感じた。
 しばらくしてペースを上げスポーティに走らせてみた。路面温度が低くて無理がきかない状況ではあったものの、速さと同時に自由度の高さに驚かされる。筆者は旧型でもてぎの耐久レース「もて耐」に出場しどうにもいい結果が得られなかった経験があるが、新型でペースを上げていくと、この思い出したくない記憶を上回って「あ、これならまたもて耐に出たいなぁ!」という気持ちが芽生えるほどパワフルで淀みなく、かつ従順だった。
 エンジンはクラス最強の39馬力(重ねて言うが輸出仕様)というが、ストレスなく回り切っていく感じは数値通りにパワフルに感じるものの、ライバル勢に対してどうか、というのはわかりにくい。試乗会場であったオートポリスは大きなサーキットであり、スピード感を図るのは難しいため、直接比較しないとどちらが速いという判断はできないだろう。しかしレスポンスの良さやスピードのノリ、高回転域でも苦しさを感じないあたりに新世代エンジンを感じることができ、短い試乗時間が恨めしくなった。このまま国内投入されることになれば、価格設定にもよるだろうが、そもそもこのカテゴリーに火をつけたニンジャ250が再び台風の目になるだろう。
 
(試乗・文:ノア セレン)
 
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フロントフォークの径が従来のφ37mmからφ41mmへと大径化したのがフロント周りの大きな変化。ブレーキはφ310mmのペタルタイプディスクにピンスライドキャリパー。タイヤは従来通りの110幅バイアスだ。


 
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使用環境や環境規制などに対応させながら、長らくファインチューニングを重ねつつ生きながらえてきたGPZ系パラツインは退役し、今回完全新設計のパラツインエンジンを投入。海外仕様では39馬力を誇る。


 
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プリロード調整機能のみを持つシンプルなリアサスは従来通りながら、新作フレームと高剛性化したフロント周りのおかげか車体もグッと近代的になっている。タイヤは140幅のバイアス設定。


 
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ルックス上で大きく変わったのは顔つきだろう。ニンジャ1000や、ニンジャH2のような逆スラント形状で前方に低く伸びるその姿は、ニンジャシリーズとしてのアイデンティティーを示すと同時に250の枠を飛び越えた存在感を示している。横から見たときにもライトが見えるというのもポイントだろう。ちなみにヘッドライトはLEDを採用する。


 
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テール周りもニンジャシリーズとしての共通性を持たせるデザイン。ギュッとまとまっていてリアビューも近代的。


 
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筆者のこだわりで申し訳ないが、こうしたシートを外さずに使えるヘルメットホルダーや荷掛けフックをしっかりと設定してくれるカワサキが大好きだ。趣味性が高くなっても実用性をおざなりにしないのは素晴らしい。


 
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タンデムシート横にはH2とよく似たエラのようなものもありとてもカッコ良い。


 
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アナログのタコメーターに情報量の豊富なデジタルメーターを組み合わせているのも大排気量ニンジャシリーズと共通のデザイン。とても見やすく高級感も高い。


 
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タンクのホールド性などに問題がないのはもちろん、このようにカウルと一体デザインとなるとライダーを選ぶこともあるがそんなことはなかった。186cmの筆者でも膝が収まらないなどということはなく快適だった。


 
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誘惑の「軽い車体に400パワー」

 250の好印象そのままに、続いて400に試乗。見た目もまたがった感じもまるっきり同じで、車体サイドに書かれている数字を見ないと250と見分けがつかない。それもそのはず、車体も足周りも基本的に共通なのだ! すぐ見てわかる違いと言えば400にはラジアルタイヤがついていることぐらいか。しかしそのサイズもかつての160幅ではなく150幅に細くなり、ブレーキもシングルディスク化。全体的にスリムになり、なんと従来型比で40キロ以上の軽量化を果たしているという。
 というのも、国内での従来型ニンジャ400は輸出仕様のニンジャ650のスケールダウン版でありベースはあくまで650なのに対して、こちらは250をベース……というか250と共通なのだから軽く、小さくなって当たり前だ。よって旧型のニンジャ400と比較するのはもはや無意味で、新型250との比較が正しいだろう。
 
 走り出してすぐに「速い!」という印象。クラッチを繋いですぐのトルク感は当然250より高く、250と共通の車体をスイスイと加速させ軽い車体をさらに軽く感じさせてくれる。エンジンのフケ上がりはシャープでかつてのニンジャ400のようなツアラーテイストではなく純スポーツのイメージ。そして排気量が大きいにもかかわらず高回転域も250と同じようにストレスフリーにフケ切っていくのだ。これが(当然だが)とっても楽しい! これだけ大きなサーキットでも十分に興奮できるパワーがあり、またラジアルタイヤ装着の恩恵もあって攻め込んでいった時の安心感も高く、その高い運動性はどこか80~90年代のレーサーレプリカさえも連想させてくれた。レギュレーションに縛られていなければ250よりも400の方が楽しいと言わざるを得ず、サーキット走行を考えた時はそのパワー故250といっしょにミニコースを楽しむこともできると同時に、より大きいサーキットでも楽しめそうで幅が広がる。また公道での使い勝手も低速トルクの豊かさと250同様に緻密にコントロールされている低回転域の反応のおかげで、やはり250よりもさらに余裕をもって楽しくキビキビ走れるだろう。車検というハードルだけをクリアできれば、個人的にはぜひとも400の方をお薦めしたい。最近乗ったバイクの中で一番楽しかったと断言できる。

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ツーリングライダーには?

 ニンジャ250については、ポジション面や装備面で従来型から大きな変更はないが、400は従来型がバーハンドルで体が起きたポジションであったこと、またカウルも大型でツーリングシーンに対応したものだったことを考えると、そういったニーズに対しては少し後退したのかもしれない。細く、軽くなってはいるものの、ツーリングシーンに求められる車体のしっかり感や安定感という意味で失われたものはないと思うが、単純にセパハンになった事、カウルが低くなったこと、またシートが分割になったことでタンデムや荷物の積載が従来型よりも難しそうなこと、がツーリングライダーにとっては気になるかもしれない。
 しかし一方でシートは従来型250比では厚みを増して快適性を追求しており、また荷掛けフックやヘルメットホルダーといった便利装備は省略されずカワサキらしくしっかり装備されている。そういった点ではツーリングライダーにも一定の配慮がされており、あまりにスポーティになってしまって……とがっかりすることもないだろう。それよりも軽快さや近代的なエンジンレスポンスの恩恵の方が大きいはずで、何泊もするようなロングツーリングはともかくとしても、ショートツーリングの先では従来型以上にバイクとシンクロした楽しい走りができるはずだ。

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是非このまま日本投入を!

 試乗会当日は繰り返し「輸出仕様だから。国内はまだ決まってないから。」と念を押されたが、状況から察するにほぼこのまま国内投入されてくれるだろう。
 250はこれまでのニンジャファンにとってはとても嬉しい性能の大幅刷新だし、ライバル勢からしてみれば脅威になる存在のハズ。ますます250ccクラスの切磋琢磨が進みそうでその盛り上がりが楽しみだ。あとは価格の設定が楽しみなトコロ。
 400はこれまでのニンジャが今のニンジャファミリーの中では異色のツアラー的存在だったのに対して、ニンジャH2やニンジャ1000のようにスポーティニンジャ路線に倣ったモデルチェンジ。250よりも大きな変化で市場がどう反応するか楽しみだが、この完成度と走らせたときの楽しさ、そして近代的スタイリングなどを考えると、ニンジャ250が巻き起こした250ccフルカウルカテゴリーの盛り上がりを400がまたやってくれるんじゃないか、なんていう期待もしてしまう。400ccはとても良くバランスされたサイズであり、最近の大型至上主義の中では忘れかけているが今一度見直したい排気量。他のメーカーもこれに続いてくれればニンジャ250が巻き起こしたブームを400にも持ち込めそうな、そんな気にさせてくれる魅力的なバイクだった。
 
 この2台の詳細の発表は年末ぐらいをめざし、来年春あたりの発売にこぎつけることができれば……、とのこと。日本仕様のスペックや詳細はまだ決まっていない中での先行味見試乗だったが、この好印象のままでの正規日本導入が今から楽しみである。
 
(試乗・文:ノア セレン)
 
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フォークやブレーキ、ホイールの設定などは(他の多くの部分と同じで)250と共通。しかしタイヤは110幅のラジアルを純正装着。ハンドリングに差異をもたらしている。


 
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250と共通というクランクケースにより、とてもコンパクトな設計となった新作400のエンジン。馬力的には旧型と大差ないが軽量化によりとてもパワフルに感じる。


 
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リア周りも共通。タイヤは150/60R17というラジアル設定で、ハイトが低いぶんキャスターやトレールといった数値にも変化がありそうだ。マフラーは250よりも少し長め。


 
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メーターやタンク、カウル形状なども全て250と共通。違いと言えばレッドゾーンの始まるところや、カウル横のロゴぐらいである。


 
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シートを外さないでも使える便利なヘルメットホルダーや各種荷掛けフックなどは400にももちろん採用し利便性を確保。個人的に高評価ポイントだ。


 
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