2019年6月13日

FIMトライアル世界選手権 第2戦 日本GP、王者トニー・ボウ選手がオールクリーンで完全優勝

Repsol Honda Teamが1位と3位(2位はTRRSのアダム・ラガ)、2日間とも表彰台には日の丸!

FIMトライアル世界選手権が6月8・9日に今年もツインリンクもてぎで開催された。

アウトドアトライアルでは日本大会だけが唯一2日間決勝が行われ、日本人唯一の世界選手権レギュラー選手である“フジガス”こと藤波貴久選手が2日間とも3位表彰台を獲得! 2日目は王者トニー・ボウ選手が全セクションをクリーンで走破、1日目ともに完全優勝を果たした

ツインリンクもてぎでは20回目の開催となる今大会、強い雨の降る中行われた予選は、Q2を重視した昨年とはシステムが変更になり、QUALIFICATION1とQUALIFICATION2(予選)の減点数とベストタイムからの選出。トライアルGPクラスはワイルドカード出場の全日本チャンピオン・小川友幸選手が9番手、藤波選手は10番手、同じくワイルドカード出場の黒山健一選手、野崎史孝選手が12番手、13番手につけた。

決勝DAY1は、前日の激しい雨は止み時折太陽が顔を見せるが、霧雨も降るような蒸し暑い一日。たっぷりの雨量によりコースはドロドロに荒れ、斜面はツルツルの悪コンディション。芝生に設けられたステージ横の特設セクションは無難に通過するも、第2セクション以降の土のコースになると多くのライダーがクリーン出来ずに敗退。第3、第4、第5セクションは、タイヤに付いた泥が巨石のライン上にべったりと乗ってしまい、より滑りやすくなり難しい状態。第4セクションの斜面は濡れた日陰で普段でもなかなか乾きにくい上に、2段ステアの難関となっており、DAY1でここをクリーンで通過したのはジェロ二・ファハルド選手ただ1人で、彼以外は全員(減点)5点という超難関。第5セクションはボウ選手だけが1点で通過。6、7、8と続くもてぎ名物の岩盤セクションからは、上位ライダーが体制を立て直してのトライ。藤波選手と予選の順位が近い黒山選手、小川選手はコースの下見でアドバイスをしながら、まるでチーム戦のようにセクションを進んでいく。予選上位3名のボウ選手とアダム・ラガ選手、ジェームス・ダビル選手は下見にたっぷりと時間を割き、お互いけん制しあいながらのレース。1ラップ目を3位で終えた藤波選手だったが、4、5、6位ともそれぞれ1~2ポイントしか離れていない接戦で、2ラップ目も激しい攻防戦となった

4セクのドロドロの斜面に苦戦するライダー続出。フジガスも餌食に。 ラガ・第5セクション、1日目は多くの選手たちを阻んだ巨石。

もてぎ上空はお昼過ぎに再び雨雲が通過、コンディションは午前と変わらず難しいまま。日本人選手たちがタイムアップの迫った藤波選手に順番を譲る形となり、第15セクションを1点で通過し、合計74点とタイムペナルティ1の75点で藤波選手はDAY1を終了。第14セクションで藤波選手と並んだダビル選手だったが、その後最終の第15セクションで3点を追加、この時点で藤波選手の3位表彰台が決定。2位に71点でラガ選手、優勝のボウ選手は48点と、2位のラガ選手に23点の差をつけ圧倒的勝利を収めた。日本勢は黒山選手が12位、野崎選手14位、小川選手が15位。

ボウ、フィニッシュ!

DAY2は天候が回復し、急速に乾き始めたコースは前日と全く違う様相で、難所だったセクションでクリーンを連発、各ライダーが1点を争う厳しい戦いとなった。日曜ということもありたくさんの観客が見守る中、ボウ選手は15セクション×2ラップの30セクション全てでクリーンをたたき出し、2010年のポルトガル大会以来、2度目のオールクリーンで完全優勝の快挙を達成! 最終セクションではトライの途中で余裕のダニエルを披露するなど集まった観客を喜ばせた。1ラップ目をラガ選手と1点差の2位で終えた藤波選手は、2ラップ目の第4セクションで失敗。ここは上位ライダーがほぼクリーンしており、藤波選手は一時5位まで後退してしまうが、気持ちを立て直し残りのセクションを慎重に進め、後半の第14セクションと最終セクションでは気迫のこもった走りでクリーン! DAY1に続き2日連続の3位表彰台を獲得した。

日本勢は13位に黒山選手、14位小川選手、15位野崎選手。表彰式ではツインリンクもてぎの開催20回をたたえる授賞式や、黒山選手の世界選手権参戦200戦の記念セレモニー、また9月にスペイン・イビザ島で行われる国別対抗戦トライアル・デ・ナシオンの壮行会も行われ、大勢の観客から拍手で見送られた。

トニー・ボウ選手
「いつも表彰台にあがっているのでそれ自体に驚きはないのですが、今回のオールクリーンは自分でも信じられない気分で素晴らしいことだと思っています。前回の2010年のポルトガルではドライコンディションでとてもイージーなオールクリーンだったけど、今回はウェット路面で難しかったが、ライディングも好調だったしこの結果にとても満足しています。今週末はとても重要なウィークでした」

藤波貴久選手
「日本グランプリは僕にとっても特別なレース。世界選手権で2日間の日程で開催されるのは日本だけなのですが、1日目の表彰台に乗れても2日目は乗れないときが多く、今回は2日間とも表彰台に乗れたことは本当に嬉しい。色々とトラブルもあり、かなり厳しいレースになったのですが、皆さんの声援でここに押し上げてもらったのでとても感謝しています。これからもレースが続きますが、皆さんのパワーを自分のなかに入れ、今後のレースを戦い、常に表彰台を狙っていくのでこれからもずっと応援してください! ありがとうございました」

小川友幸選手
「マシンも含め自分のライディングを調整できずに挑んでしまった結果です。準備不足でもこれくらい行けるだろうと思っていたところ、世界のレベルが上がったのを痛感。準備不足のレベルでいっても、今までの中でもワーストな世界戦だったと思います。ですが、世界での自分の位置を再認識することや、世界の走りを実際に見たりレースの雰囲気を感じられたこと、全日本ではあり得ない難易度の高いコースに挑めたことは大きな収穫になりました。今後の全日本でも心構えをしっかりもって取り組んでいきたい」

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(レポート&撮影:楠堂亜希)

13連覇を目指すトニー・ボウ。 パドックではフジガススマイルで迎えてくれる藤波貴久。
ジェームス・ダビルは最後までフジガスと争い4位。Beta祭りにも来日してくれたのでダビルの表彰台も見たかった。 ジェロ二・ファハルドは昨年の覇者だがコースに翻弄された感。イケメンでファンも多いだけに残念。
世界選手権参戦200戦の黒山健一、角度のついた丸太を器用にクリアしていきます。 森のなかに突如現れる沢、斜面のステップアップはかなり難セクの第4セクションにトライ、“ガッチ”こと小川友幸。 野崎史孝、泥のついた丸太を・・・。
レディスチャンピオン・西村亜弥も健闘。 ライダー全員に注目されます。1日目の1セクにトライする、トップバッターのジャック・プライス。 岩盤セクションでは命綱をもってアシストします。
岩盤の上は眺めがいいんです。もてぎのオーバルコースの向こうにホテルも見えます。8セクを駆け上がってくるフジガス、オフィシャルも関係者も声が漏れるかっこよさ! 第3セクションは緊張の連続。選手の技量が試される、最後まで気の抜けないコースでした。 トライアル・デ・ナシオン壮行会も行われました。イビザ島って、レース後は泡パーティーですね。