Hi-Compression Column

そば

■おこのみ富士、閉山

(2010.7.20)

駅や商店街の片隅にぽつんと存在する立ち喰いそば屋さん。かつては「食事じゃなくて、単に腹を満たす物」とか「貧乏くさい」とか 「女子供は入れない」とか、ろくなイメージはなかったでしょうか。

それがB級グルメとして一般的に認知され本や雑誌、テレビでも紹介されるようになると、「現金先払い」「どんぶりはカウンターへ」 「お酒は1人3杯まで」くらいが関の山だった店内の張り紙に、「写真撮影はご遠慮ください」「お一人ひと品ご注文ください」 「クレジットカードは使えません」など、カメラもカードも持ってない、一人でに二品(そばといなり、そばとコップ酒とか) 注文する主力客層には、いささかちんぷんかんぷんな掲示が加わるご時世ですから。

立ち喰いそばの地位が上がったのか、社会の価値観が下がったのか……それはさておき、B級グルメブームとは裏腹に、一匹狼的立ち喰いそば屋さんの 場合、久しぶりに行くと「たしかここらあたりにあったんだけど」な減少傾向にあると思います。後継者問題でしょう。無論確証はありません。

立地条件に恵まれた大きな駅の構内であっても、まずくはないけれど、おもしろくないJR系列店に変わってしまうパターンや、 再開発で忽然と消滅したりするので油断できません。

まあ、油断なくそばを食べていても、無くなる時は無くなりますが。

このコラムは、そんな閉店してしまった立ち喰いそば屋さんのレクイエムです。「立ち喰いそばと、バイクとの関係は?」と 問わないでください。強いて言えばバイクをおりたら、すかさずハンチングを被っておしゃれな○○カフェに行くライダーではなく、 メットを被ったまま(フルフェイスだったら芸術)しょうゆ辛い立ち喰いそばをずるずるすするのが、 本誌系の読者ちゃんぽいじゃないですか(あくまで私見)。

JRの山手線、京浜東北線、東海道線、横須賀線と京浜急行線、さらに最近は新幹線まで停まるようになった都内の某駅 (ここまで書いたら鉄じゃなくても一目瞭然ですけど)。しなが……じゃなくてこの某駅は横須賀線、東海道線、京浜東北線、 山手線のホームに各1店(京浜東北は2店)と、中央コンコースに2店と立ち喰いそば屋さんだけで7店もありました。コンコースの1店は、 中身はおんなじなのに場所によって店名が変わる、おなじみJR系列で、残り6店は駅弁で有名な某社の経営です。

そのうちの東海道線ホームの店が今年の春、突然閉店してしまいました。





東海道線ホーム

東海道線ホームの東京方にあった某店。駅弁や生ビールも売っていた。2009年6月撮影




「でも、会社が同じなんだから、残り4軒で食べても味は同じだろ?」

そのとおりです。コンコース店と横須賀線店は普通なんですが(とはいえコンコース店は、やたらとかき揚げの種類が多くて、 それをダブルトッピングしたゴールドウイングエアバッグ・ナビパッケージ的豪華メニューもあります)、 山手線と京浜東北線のお店には鉄の食器で出てくるCB550FOUR-Ⅱを彷彿とさせるような懐かしいカレーや、40過ぎると頼むのにかなり冒険的な 某駅名の名前がついたCB750CUSTOMのようなかき揚げ丼がラインナップされております。

さらに夕方にはコップ酒片手のオヤジのたまり場化するなど、お上品なJR系とは異なり、 ピークパワーは8500rpmあたりの昭和40年代感丸出し個性をぷんぷん発揮しています。

バ☆ソ
ソ☆バ
日本全国の立ち喰いそば全店制覇を目論む立ち喰いそばの人。食べた店のデータはきちんと記録するが、味の表現が「うまいorまずい」の二進法でしかできないデジタル指向(通常は味音痴という)なので、ブームに乗り損ね。名前に☆を入れるとアーティストっぽくなると本気で思っているので、ホントはただの馬鹿に違いない。



バイクング具材

具材はバイクング風にカウンター上に配置。おこのみそば・うどん以外を注文して故意に入れるとやんわり注意されます。当たり前ですが。


本題の東海道線店は、ミニサイズのにしん天、ゴボウ天、輪切にされた ぺなぺなのちくわ天(天ぷらというよりはフリッター状でした。ちなみに天ぷら種は、時期により変動もあったような気がします←ウイキさんでは怒られる記述)に、 天かす、わかめ、山菜、きざみあげ、かつお節、ねぎが入れ放題の上、たまごまでサービスで380円という、小さなバイクング・ビッケどころか、 大きなバイキング状態の「おこのみそば・うどん」がありました。

3種の天ぷらで小山を築き、すき間を固めるように揚げ玉を流し込み、その回りにワカメ、山菜、あげを盛り込み、仕上げに軽量級のねぎとかつお節をぱらぱら。 そこに出現するのは、万年雪ならぬかつおとネギを頂に頂く天ぷら富士。かこむように配置された山菜やわかめは、うっそうとした青木ヶ原の樹海を思わせます。 これはもう山水の世界、どんぶりの中の芸術です。



どんぶり

富士山クラスばかりが「おこのみそば」ではない。食べたい具のみの贅沢な天保山級もまた「おこのみ道」。 おこのみを達観すると最後はこうなる。富士山クラスの写真を撮っていなかったいいわけではない……



一見さんは興奮しすぎて、手当たり次第に載せて獅子てんやわんや状態になる洗礼を受けるのですが、 2回3回と通ううちに各自の積み上げ理論が構築されていくのです。

しかし見とれている間などありません。天ぷら富士が地下水(ダシ)をどんどん吸い上げます。知識と体力が必要なのは富士山攻略と同じ、知力体力を駆使し、 おこのみ富士を攻略した達成感は、まさに富士山山頂から拝むご来光のようでした。

残念ですが、立ち喰い登山家を魅了したおこのみ富士登山はもうできません。 今年春、ホーム拡張工事と引き替えに、閉山(とは言わないけど)してしまいました。




閉店

夏ではないけれど「夏草や強者どもが夢の跡」……2010年1月撮影。




本店がCB1300SF、横須賀線店がCB400SFだとすれば、山手線と京浜東北線店はX4 type-LD Special、X4 typeLD Black Special、 東海道線店はCB1300SFドリームスペシャル(ミスター・バイク2010年6月号24ページ参照)というイメージで。

無理矢理バイクにつなげて……また来月。


[第1回|第2回]
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