国産車BIG2スト大全 その4 まさかの復活劇と終焉 有終の美編
1981

YAMAHA RZ350(4UO)

前年、衝撃的なデビューを果たしたRZ250の350バージョンは3月に登場。350の専用装備としてフロントダブルディスクブレーキ、Wホーン、輸出仕様RD350LCと同様のゴロワーズ風カラーが採用された。軽量な車体と高い動力性能の組み合わせでパワーウェイトレシオ3.17kg/psを達成し、国内では「ナナハンキラー」、欧州では「ポケットロケット」と呼ばれた驚愕のニューフェイス。車体色はホワイトのみ。

●エンジン:水冷2ストローク2気筒●総排気量(内径×行程):347cc(64×54mm)●最高出力:45ps/8500rpm●最大トルク:3.8kg-m/8000rpm●変速機:6段リターン●全長×全幅×全高:2080×740×1085mm●軸距離:1365mm●乾燥重量:143kg●タイヤ前・後︰3.00-18・3.50-18●発売当時価格:408,000円
1982

YAMAHA RZ350(4U0)

YAMAHA RZ350YSP (4U0)


翌年1月にタンクラインのグラフィックを小変更すると共にニューヤマハブラックを追加し、250と共通グラフィックの2色ラインアップに。6月には専用色チャピィレッドのYSP仕様も発売された。

1983

YAMAHA
RD500LC

1983年秋のパリショーでデビューしたRD500LC。GPレーサーYZR500(OW61)レプリカで、YZR500のV4エンジンを基本として作られた量産車世界初となる水冷50度V型4気筒の2ストエンジンは、前がピストンリードバルブ、後ろはケースリードバルブを採用し、各気筒それぞれにYPVSを装備して、新設計のスチールのボックス型チューブフレームに搭載、エアロダイナミクス設計によるフェアリングに包み込み、市販車最強マシンを謳った。

YAMAHA  RZ350R(29K)

5月に排気デバイスシステムYPVSや電子進角式CDI、サーモスタット、ニューリンク式のニューモノクロスサスペンションやビキニタイプのミニカウルなどを新に装備してフルモデルチェンジ。10psものパワーアップを果たした。車体色はニューヤマハブラック×ホワイトとチャピイレッド×ホワイト。

●エンジン:水冷2ストローク2気筒●総排気量(内径×行程):347cc(64×54mm)●最高出力:55ps/9000rpm●最大トルク:4.4kg-m/9000rpm●変速機:6段リターン●全長×全幅×全高:2095×710×1170mm●軸距離:1385mm●乾燥重量:145kg●タイヤ前・後︰90/90-18・110/80-18●発売当時価格:458,000円
1984

YAMAHA RZV500R(51X)

RD500LCの国内仕様は、1983年の東京モーターショーでデビュー。アルミフレームを新たに採用し、1984年5月から市販が開始された。自主規制によってフルパワーの輸出仕様に比べれ最高出力は20馬力の大幅ダウンでの登場となったのだが、1970年代のオイルショック以降、大排気量車は4ストローク優位となり2ストロークはせいぜい250クラスまでと考えられていただけに、レーサーレプリカブームの勢いはあったにせよ、2スト大排気量車が国内で販売されたというインパクトは大きかった。ちなみに日本での市販直後にアムステルダムでRD500LCに試乗したキング・ケニー(ケニー・ロバーツ)の第一声は「Perfect!」だったという。そんな大きな期待を持って登場したRZV500Rであったが、やはり4スト優位の時代の趨勢に抗うことは叶わず、国内仕様は短命に終わってしまった。

●エンジン:水冷2ストロークV型4気筒●総排気量(内径×行程):499cc(56.4×50mm)●最高出力:64ps/8500rpm●最大トルク:5.7kg-m/7500rpm●変速機:6段リターン●全長×全幅×全高:2085×685×1145mm●軸距離:1375mm●乾燥重量:173kg●タイヤ前・後︰120/80-16・130/80-18●発売当時価格:825,000円

YAMAHA RZ350RR(52Y)

RZ350Rにフルカウルを装着したRRが10月ラインアップに加わった。ハンドルはアルミ鍛造のセパレートタイプでより本格志向になったが、先鋭化したレーサーレプリカ時代へと急激な変化の当時やや見劣り、その形状からフグカウルと揶揄されてしまった。車体色はシルキーホワイト×フレンチブルーとシルキーホワイト×ストミーレッド。

●エンジン:水冷2ストローク2気筒●総排気量(内径×行程):347cc(64×54mm)●最高出力:55ps/9000rpm●最大トルク:4.4kg-m/9000rpm●変速機:6段リターン●全長×全幅×全高:2095×670×1190mm●軸距離:1385mm●乾燥重量:148g●タイヤ前・後︰90/90-18・110/80-18●発売当時価格:499,000円
1985

SUZUKI RG500/400Γ(HM31A/HK31A)

レーサーレプリカブームを決定づけたRG250Γのさらに上を行く究極のGP500レプリカマシンが、2月に登場したRG500/400Γ。エンジンは量産市販車としては初めて採用されたワークスレーサーRGΓと同レイアウトのロータリーディスクバルブエンジンを2気筒ずつ前後に配置したスクエア4が新たに作られた。もちろん排気デバイスSAECや両側のマニホールドを連結したSIPCを装備し、フレームはアルミのMR-ALBOX、フロントフォークにはアンチノーズダイブに代わる新機構PDFをダブルで装着するなど、当時流行したシステムの頭文字を取った最新技術が惜しみなく投下された。RZVは500のみだったが、メイン市場であった中型免許を配慮して、500(写真上)と400(写真左)の2バージョンが同時に発売された。500はアンダーカウルを標準装備し、400はオプションで設定された。車体色は400、500共通のホワイト×ブルーとホワイト×レッド。

●エンジン:水冷2ストロークスクエア4気筒●総排気量(内径×行程):397<498>cc(50<56>×50.6mm)●最高出力:59<64>ps/9000<8500>rpm●最大トルク:4.9<5.8>kg-m/8500<7500>rpm●変速機:6段リターン●全長×全幅×全高:2100×695×1185mm●軸距離:1425mm●乾燥重量:153<156>kg●タイヤ前・後︰110/90-16・120/90-17●発売当時価格:659,000<759,000>円※< >は500

HONDA NS400R(NC19)

ガンマに続き5月に登場した、ホンダ最初にして最後になるであろうBIG2ストスポーツ。WGPレーサーNS500のコンセプトをダイレクトにフィードバックした前1、後2の水冷90度V型3気筒エンジンには、排気デバイスATACを装着し、フレームはアルミ角パイプ。サイドスタンド部分にまでスポイラーが装着された本格派で、ファイティングレッド×シャスタホワイトのトリコロールと、ワークスカラーであったアリューシャンブルー×シャスタホワイトのロスマンズが用意された。

●エンジン:水冷2ストロークV型3気筒●総排気量(内径×行程):387cc(57×50.6mm)●最高出力:59ps/8500rpm●最大トルク:5.1kg-m/8000rpm●変速機:6段リターン●全長×全幅×全高:2025×720×1125mm●軸距離:1385mm●乾燥重量:163kg●タイヤ前・後︰100/90-16・110/90-17●発売当時価格:629,000円

SUZUKI
RG500Γ Walter Wolf

SUZUKI
RG400Γ Walter Wolf

7月に全日本ワークスカラーのウォルターウルフ仕様を699,000円で発売。シングルシートカウルとアンダーカウルは標準装備されていた。同カラーイメージのヘルメット、レーシングスーツ、グローブ、ブーツもオプションで用意されていた。9月には400とグラフィックが異なる500も769,000円で発売された。

YAMAHA
RD500LC

国内仕様のRZV500Rは、1984年12月にスピードメーター表示など小変更のみで変更はなかったが、輸出仕様はカラーリングを変更して1985年モデルも登場した。

1986

SUZUKI
RG400Γ

400のみ2月にカラーを変更。ヨシムライメージのグレイ×レッドと、ワークスカラー風のホワイト×ブルーの2パターンに。価格は変更なし。写真はオプション設定だったアンダーカウルを標準装備し、2万円高で新たに設定されたフルフェアリング仕様。

SUZUKI
RG400Γ Walter Wolf

SUZUKI
RG400Γ Walter Wolf

SUZUKI
RG500Γ Walter Wolf

1986年の全日本ワークスカラーをイメージした2代目のウォルターウルフ仕様を発売。400は4月に発売され(写真上左)、6月には銀バージョン(写真上)が追加された。ウォルターウルフマークの入ったスペシャルキーも同梱された。500は9月に発売され(写真左)、これが国産BIG2ストスポーツ最後のニューモデルとなった。400は699,000円、500が769,000円と価格に変更はなかった。


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