姿カタチに惚れ込んで 第16回 チキチキVMX猛レース

スプリントと耐久レースに集った延べ231台。過ぎ去りし青春と昭和のバイク談義を重ねる中高年の隣りで、平成生まれの若者はこういうバイクがカッコイイんだと言う。世代を越えて夢中にさせるヴィンテージモトクロス、一体なぜ、どういうことで? チキチキVMX猛レースに行ってみればわかるんです!

開催日:2019年5月5日
会場:埼玉県モトクロスヴィレッジ
主催:ホーリーエクイップ 

■文・写真:高橋絵里

 冬の間のレストア作業でコツコツ仕上げられ、息を吹き返した数十年前の旧車たち。待ちわびた春のチキチキでお披露目とあってパドックは国産も外車も、大小のバイクがあっちこっちでひしめき合って大賑わいだ。ふと愛車を見つめてはその曲線美と存在感に酔いしれる日。もったいないなどとは誰も言わず思いきり走らせる日。仲間同士ビンテージ談義に夢中になる日。
「これで走ると当時の自分のことを思い出すねぇ。若い頃はやんちゃしてたから、色々あったなぁなんてノスタルジックな気分ってやつ?・・・(遠い目)。今(最新)のバイクも持ってるけど、技術の進化は凄いなと思うし高性能で面白いけど、やっぱり古いほうがピンとくるんだよ」そう言って笑う昭和20年代生まれ。いま60歳、70歳前後のライダーは、幼い頃から憧れ続けて必死に稼いでようやく手に入れたバイクで青春時代を駆け回った年代の代表格だろう。その一方で、平成生まれの年齢層の参加がチキチキVMXでは着実に増えているのも面白い。自身が生まれる遥か以前のバイクを「このデザインとか雰囲気とか、マジでかっこいいでしょ」という。肩肘張ることなく日頃の遊びの延長感覚で走り、モトクロスヴィレッジの周回コースは「ムズいですー」と言いつつも怖いジャンプなどないし、緩いデコボコは程よくスリリングだし、ということでヴィンテージバイクで走るのにちょうどいいのだそうだ。この日のチキチキも9歳から76歳の男女が一緒に遊び、一緒に笑った。次回のチキチキVMXは11月3日、モトクロスヴィレッジで開催。参加も観戦もワクワク、とびきりな気分を味わえる。



#500のミヒロくん小学5年生はQR50でレースデビュー。可愛い装いでベストドレッサー賞を受賞。#380ミハレちゃんは中学1年生、XR80で弟さんを見守るように走ります。 『日本GP神鍋72クラス』で疾走するオサダさんと1964年型ブリヂストン90EA1。スクランブラーのためのキットパーツを付けて当時のレースシーンを再現した。


M&M’smotocycleのミハヤシさんと1970年型トライアンフ25W。絵になります。 キクヤさんと1973年型YZ250A。革パンツにチンガード、前掛けプロテクターが雰囲気。

あっち向きこっち向き、雑然とひしめくパドックもチキチキの風物詩。
レース進行ボード。ユニークなクラス名も楽しい。 年式違いのRM125でダブルエントリーです。 CZ時代のロベールをリスペクトして。 主催のホーリーエクイップ堀口社長とイベントマスコットのiBレディ。


井上ボーリングの井上壯太郎社長と1974年型ブルタコPURSANG MK8、走る時も笑顔。 仙台のクマガイさんとCR125R、元国際A級だけに華麗な走りでクラス優勝。


超速ストレートを誇るGS750、モトクロスにはないサウンドでお馴染みのムラタさん。 『奇麗なバイクは速いで賞』、1969年型W1Sをモトクロッサーに仕上げたカトウさん。


お洒落ジャージのヨシムラさんはトライアンフTR5TでWGP~76クラス総合優勝。 シマダさんと1969年型スズキK90。リアフェンダーに驚きの『食糧庁』のステッカー。

レースなのになんとも情緒豊かな、その名も『日本GP浅間70クラス』レース風景。トップをゆくのはDT1(68)、後ろにMX90(73)、DT2MX(72)とヤマハ車の歴史絵巻。


iBレディからメダルと盾の授与にガラにもなく照れてしまう表彰式。順位は二の次なイベントだけれど、頑張った自分とマシンが誇らしい。


カラサワさん ホンダCR125(1977) from群馬県
丹精込めて仕上げられたエルシノアにモトクロスレジェンド唐沢栄三郎さん(右)がライド、ホールショットからのぶっちぎりを披露した。いぶし銀な走りは健在、恒例のメキシコBAJA500で今年もクラス優勝を目指す。隣りはマシンオーナーの亀山さん。
ネツさん カワサキKE125(1982)・ホンダCR125MⅢ(1976)  from長野県
チキチキ初出場、2台でダブルエントリー。KEがレース中に止まるハプニングにションボリ、「もう72歳だしこれが最後のレースと思って」などと気弱なことを仰るので、年上の方があっちにもこっちにもいますよと教えてあげたら元気な笑顔が戻ってきた。


カソノさん グリーブス24MXⅢチャンレンジャー(1966) from東京都 
60年代ヨーロッパ車を愛でる加園さん。この日は写真のグリーブス・チャンジャーのほかホンダTL125、さらにジョエル・ロベールをリスペクトしたCZの3台体制。人呼んで『鉄人カソノ』さん、マシンごとにこだわりのジャージをせっせと着替えながらのレース三昧。
ハラグチさん ヤマハSRV250(1992) from埼玉県
モトクロス一家、ゲストの原口衛さん(左)と若旦那の秀斗さん(右)と奥様達。レジェンド原口さん63歳はCR250でセニアスポーツ総合優勝、秀斗さんもこのカスタムSRVでトップ争い、TX650では優勝するしでギャラリーもビックリの大人気でありました。

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