ph.jpg

■文:青木タカオ ■撮影:ピレリジャパン
■協力:ピレリジャパン 

メッツラーのアメリカンクルーザー用新作タイヤ「CRUISETEC(クルーズテック)」のメディア向け試乗会がイタリア・シチリア島で開催された。現地スタッフに案内された試乗コースは、ワインディング三昧。えっ、クルーザーなのに一体どういうこと……!? そんなギモンが頭をよぎったが、コーナーを駆け抜けるとすぐに納得。この新しいタイヤ、コーナーも得意なのだ!!

こちらの動画が見られない方、大きな画面で見たい方はYOU TUBEのWEBサイトで直接ご覧下さい。

 
ライフやレイン性能だけを重視した従来のタイヤでは
ユーザーはもう満たされない!!

 いま、アメリカンクルーザーに異変が起きている。ハーレーダビッドソンやインディアンのラインナップに、スポーティさを重視したモデルが増殖中なのだ。
 少し乱暴な言い方かもしれないが、かつては真っ直ぐな道を味わい深いエンジンフィーリングとともに快適な乗り心地で突き進むことができれば、それで良しだった大排気量Vツインクルーザー。
 しかし、いつしかエンジンやシャシー、足周りが強化され、旋回性も重視され出すと、ユーザーもフルフェイスヘルメットを被り、リプレイスサスや軽量ホイールをカスタムメニューに加えるようになった。
 メーカーも、倒立式フロントフォークやモノショック化したリアサスペンションを備えるなど、スポーティな走りを持ち味にした新世代クルーザーを市場へ続々と投入してきている。
 
 そんな背景があるなか、ユーザーたちはハイグリップなタイヤを求めていた。メッツラーの新作タイヤ「CRUISETEC(クルーズテック)」は、そんな要望に応えて開発された。
 メディア向け試乗会がおこなわれたイタリア・シチリア島に到着すると、夜の技術説明会で開発責任者のサルヴァトーレ・ペニーズィ氏は力を込めて説明した。
「カスタマーたちは耐候性やライフを優先した従来のクルーザー向けタイヤでは、もう満足できなくなっているのです!!」

発表試乗会にはヨーロッパを中心に世界中からジャーナリストがシチリア島に集まった。 ピレリ・メッツラー2輪タイヤ開発責任者のサルヴァトーレ・ペニーズィ氏とディナーをともにし、最新タイヤについてお話しを聞けたのは、たいへん勉強になった。

 
クルーザーなのにコーナリングが軽快!!
高速コーナーで振られることもなくなった

 翌朝からは石畳の市街地、高速道路を経て、ワインディングを走り込んだ。ハーレーダビッドソンのアイアン1200やファットボブ、インディアン・スカウトは、Vツインクルーザーながらもスポーティな走りをウリにしたモデルたち。そうしたハイパフォーマンス系クルーザーたちにジャストフィットするよう、クルーズテックはつくられている。
 まず、コーナーの初期旋回で車体がシャープに寝ていく軽快なハンドリングに舌を巻く。コーナリング初期の寝かし込みがヘビーになりがちなクルーザーだが、細かく刻まれたトレッドパターンによって手応えがスムーズで軽やかに。
 フロント19インチに細身のタイヤを履くアイアン1200はよりヒラヒラ感が増しているし、前後16インチのファットボブやスカウトはネバッとした粘着感が軽減された。

 フルバンク中もしっとりとしたグリップ感が前後タイヤから伝わり、安心して車体を寝かせ続けられる。路面とのコンタクトがしっかりとした面で感じられるのは、リアタイヤをデュアルコンパウンド化したことによるもので、ショルダー部のゴムがより柔らかく、負荷がかかったときにはじんわりと押し広がっていることがイメージできる。
 デュアルコンパウンドは長距離走行後もセンターだけが極端に擦り減ってしまうことを防ぎ、均一性のある摩耗を実現。軽快なハンドリングを寿命がくるまで維持するのに貢献する。
 また、重量級クルーザーになってくると、高速コーナーでの剛性不足による腰砕け感が気になることがあるものの、サイドウォールもシャキッとし、ハイスピードレンジのままダラダラ続くコーナーもアクセルを開けつつクリアしていける。

 インターチェンジの出口など高速道路のランプを旋回しつつおりるとき、しっかり減速しておかないと大きなアールのコーナーに車体が頼りなく振られることがアメリカンクルーザーでは起きがちだが、速度オーバー気味のままでも車体は落ち着いたままで取り乱さない。
 剛性が高いうえに衝撃吸収性にも優れるから、こうした苦手なシチュエーションを払拭してくれているのだ。
 そして、アメリカンクルーザーがもっとも得意とするハイウェイクルージングでも、よりコンフォート性を高めた。ノイズや振動がなく、よりいっそう滑らかな乗り心地を実現している。

ph.jpg
ph.jpg

 
クローズドコースにて
ウェット路面やブレーキ性能もテスト

 ワインディングをタップリ走った後には、クローズドコースも用意され、ウェット路面でのテストライドもおこなうことができた。
 最新のコンパウンド配合と、柔軟かつ堅牢なタイヤ構造との組み合わせにより、タイヤ冷間時や濡れた路面でも高いグリップ性能を発揮し、寒さや雨など旅で出くわすタフな状況に対応していることがレーストラックを走って確かめられた。

 コーナリンググリップの向上に加えて、クルーザー用タイヤに求められる性能をハイレベルで持ち合わせているメッツラーの新作「クルーズテック」。ハーレーダビッドソンやインディアンなどアメリカンモデルで、軽快にコーナーを駆け抜けたいという欲張りなライダーにオススメしたい。
 
(試乗・文:青木タカオ)
 

ph.jpg
<フロント> 排水性が高くグリップが安定するのは、溝の刻み方にワケがある。フロントの長い溝は水膜の排出性やブレーキング性能に貢献。短く刻まれる溝はタイヤを温まりやすくしている。 <リア> 長い溝がウエットグリップだけでなく、摩耗を抑制しつつ接地面を最大化してグリップ力を向上。また、その溝を細かく切断するようなブリッジ部は、安定性に貢献している。

■CRUISETEC(クルーズテック)

価格:オープンプライス
 
<フロント>
100/90 – 19 M/C 57H TL
110/90 – 19 M/C 62H TL
120/70 B 21 M/C 68H TL Reinf
120/70 ZR 19 M/C (60W) TL
130/60 B 19 M/C 61H TL
130/70 R 18 M/C 63H TL
130/80 B 17 M/C 65H TL
130/90 B 16 M/C 73H TL Reinf
150/80 – 16 M/C 71H TL
MH90 – 21 M/C 54H TL
MT90 B 16 M/C 72H TL
 
<リア>
130/90 B 16 M/C 73H TL Reinf
150/70 B 18 M/C 76H TL Reinf
150/80 B 16 M/C 77H TL Reinf
160/70 B 17 M/C 79V TL Reinf
180/55 B 18 M/C 80H TL Reinf
180/55 ZR 18 M/C (74W) TL
180/60 R 16 M/C 80H TL Reinf
180/65 B 16 M/C 81H TL Reinf
180/70 B 16 M/C 77H TL
200/55 R 16 M/C 77H TL Reinf
200/55 R 17 M/C 78V TL
240/40 VR 18 M/C (79V) TL
260/40 VR 18 M/C (84V) TL
MT90 B 16 M/C 74H TL
MU85 B 16 M/C 77H TL

ph.jpg


| |