2019年3月22日 

■ホンダ+M-TEC無限 電動モトクロッサー、共同開発のベール取る!

 2017年にM-TEC(無限)が、東京モーターサイクルショーの特設ステージで公表した待望の電動モトクロッサー構想から2年。満を持してプロトタイプが公開された。共同開発の成果は、ホンダとM-TEC(無限)で同日公開された。

 同じ電動モデルでありながら、M-TEC(無限)の公表したプロトタイプのボディには『E.REX』の文字が刻まれたオリジナル・デザインになっている。これは17年に発表したデザイン・コンセプトを踏襲するもの。迷彩柄だったカラーリングは、赤と白にすっきりとまとめられているが、両サイドを覆うカウルが恐竜の骨格を思わせる。史上最強の恐竜といわれるティラノザウスル・レックス(Tレックス)をにじませた仕上がりだ。一方、ホンダが同ブースで公表した電動モトクロッサーは『CR ELECTRIC PROTO』と、名称も違う。赤白の配色は似ているが、すっきりととがった外観はCRFシリーズに近い。両者のデザインは大きく異なる。

 M-TEC(無限)のチーム無限は、TTレース・ゼロチャレンジにも電動レーサー『神電』で参戦。そのマシンを自社開発し、優勝を重ねた実績がある。そのノウハウを活かしてモトクロッサーでもバッテリーとパワーユニットを担当した。ホンダは完成車領域を担当した。

 M-TEC(無限)でマン島TTレースのチーム監督を務める宮田明広氏は、次のように語った。
「私たちは1970年代にME125というモトクロッサーで参戦した。再びモトクロッサーを開発することは原点回帰ということになる」

 また、ホンダの販社であるホンダ・モーターサイクル・ジャパンの加藤千明社長は、このプロトタイプを電動バイク全体に生かすことを強調。
「電動二輪車にとって、より過酷なフィールドであるモトクロスを想定し、電動モトクロス車両の開発をした。ここから得られる技術ノウハウを蓄積し、オフロードのみならずオンロードも含めてスポーツ性能の研究を継続して行う。ガソリンエンジンとは異なる電動車のさまざまな課題に真摯に取り組み、将来の市販電動二輪車にも応用することを目的にチャレンジしたい」と、述べた。

 関係者によると「電動モトクロッサーは瞬発力もあり、手ごたえはある」という。ただ、レース投入のためには安全性の検証などまだ段階を必要とする段階のようだ。市場投入までには、まだ少し時間がかかりそうだ。ただこれをきっかけにした環境整備も期待されている。
「電動モトクロッサーのレギュレーションは、まだない。今後、こうしたことが決まれば、各社がそれに合わせて開発を進めることができる」(前同)という。

(取材・文:中島みなみ)