MBFCC-B1 毛野ブースカ 湯めぐりみしゅら~ん

第64湯:青森三半島湯巡りツーリング(其の四&最終日)

 青森三半島湯巡りツーリング4日目。下北半島、夏泊半島を巡り、いよいよ今日は津軽半島を巡る時が来た。天気は快晴。今回のツーリングは初日にちょっと天気が崩れた以外は天気に恵まれている。私のツーリングでは珍しいのだが、このまま明日の最終日まで天気が崩れないでほしい。

 ホテルの目の前にある国道4号線を、右手に陸奥湾を望みながら青森市方面に進む。青森市内を通過し、津軽半島に向かう国道280号線に入り、龍飛崎に向かう国道339号線に合流するまで、津軽半島の右端にある国道280号線をひたすら進む。しばらく進んだ後、道が狭くなり、大きな国道にしては様子がおかしいと思ったら、実は内陸寄りにバイパスがあることがわかった。本道からバイパスに出たら一気にペースアップ。外ヶ浜町近くに住む知人のところに立ち寄る前に、国道沿いにある「よもぎ温泉」に入ることにした。

 「よもぎ温泉」は青森県東津軽郡蓬田村郷沢浜田にある日帰り入浴施設だ。入湯料は350円。周囲を田畑に囲まれている長閑な場所にある。浴室はそれほど大きくはなく、内風呂のみ。湯船に注がれているお湯は熱めで無色透明。サラッとしていて肌触りは良好。すでに浅虫温泉で朝風呂は入っているが、朝風呂にはちょうどいいお湯だ。

 「よもぎ温泉」を出ると午前9時50分。気温は上がり始めていて、すでに汗だく状態。ここから東津軽郡外ヶ浜町字平舘舟岡に住むアームズマガジン関係の知人の仕事場に向かう。知人の仕事場は国道280号線沿いにあり、近隣に住宅が少ないにもかかわらず迷ってしまったがなんとか到着。1時間近く話した後、昼食の話になり「龍飛崎方面に向かうなら、三厩(みんまや)にある『秀鮨』さんがお薦めですよ。ここのマグロ丼は美味しいです!」とアドバイスをくれた。マグロ丼は大間町で食べたが、地元の方が言うなら間違いないということで、昼食は「秀鮨」でいただくことにした。

 知人に分れを告げて、国道280号線を進む。三厩に向かう前に国道280号線沿いの平舘(たいらだて)にある「湯の沢温泉ちゃぽらっと」に入ることにした。「湯の沢温泉ちゃぽらっと」は青森県東津軽郡外ヶ浜町平舘根岸湯の沢にある日帰り入浴施設だ。近隣には「平舘不老ふ死温泉」があり、まさに北の果てにある温泉だ。入湯料は350円。ここまで入ってきた青森県の温泉と同様、高温湯と一般湯があり、一般湯でもやや熱め。やや黄味がかった、ちょっと塩気のあるサラッとしたお湯で、疲れた身体が癒される。周囲には住宅は少ないものの、平日の午前中にもかかわらず地元の方が多く訪れていた。午前中で2湯を制覇し、想定よりもいいペースで津軽半島を巡れている。

 「湯の沢温泉ちゃぽっと」をあとにして、いよいよ知人お薦めの「秀鮨」に向かう。ここからは陸奥湾を右手に見ながら、ひたすら国道280号線を進む。交通量は少なく、非常にスムーズ。40分ほど走ったところで三厩に到着。国道280号線から少し入ったところに「秀鮨」はあった。ちょうどお昼時だったがお客は私だけ。店内はそれほど広くはなく、カウンターに座ってメニューを見るとマグロ丼(2,000円)と書かれていたので、店主とおぼしきおじさんに注文する。やがて出てきたマグロ丼はご飯が見えないくらいマグロが盛られており、2日目に大間町で食べたマグロとは色、ツヤ、鮮度が全然違う。食べるとこちらのほうが圧倒的に美味しい。やはり地元の方のお薦めは違う。
 店主とは当初会話は少なかったが、私が「ウマイ!」と連発するようになって調子が出てきたのか、いろいろと話し始めた。「マグロは大間が有名だけど、どこの港で揚げるかで名前が違うだけで、釣っている場所は同じ。三厩のマグロは有名じゃないけど美味しいよ」と自慢げに店主は語るが、食べているマグロ丼は確かに美味しい。最初にこちらを食べていたら大間町では食べなかったかもしれない。ライダーもよく訪れるらしく、店主からステッカーやお守りをいただき、店の前で記念撮影。出発しようとしたら「龍飛崎に行くなら国道339号線じゃなくてアジサイロードがいいよ」と薦められた。

 店主のアドバイスに従い、国道よりも内陸にある県道281号線(アジサイロード)に向かった。ちょっと迷ったが、走ってみると確かに景色がよく、道端には紫陽花が咲き乱れている。対向車はほとんどなく快適そのもの。いつの間にか龍飛崎近くまで着いてしまった。国道339号線を龍飛崎方面に向かい、龍飛崎の駐車場に停めて龍飛崎に向かう。龍飛崎(たっぴざき)は津軽半島最先端の岬で、展望台からは津軽海峡を隔てて北海道が見える。ついに来たな…そんな想いを抱かせるに充分な場所だ。龍飛崎近くの「階段国道」で知られる国道339号線の前で記念撮影をして、龍飛崎碑の前で撮影していたら、ご婦人がボタンのようなものを押した途端、石川さゆりの名曲『津軽海峡冬景色』の唄が大音量で流れ始めた。龍飛崎碑の隣には『津軽海峡冬景色』の歌謡碑があり、まるでクイズ番組に出てくるような赤いボタンを押すと唄が流れる仕組みなのだ。ちょっと和やかなムードになったところで龍飛崎をあとにした。

 ここからは国道339号線を通って津軽半島の左側(日本海沿い)を五所川原(ごしょがわら)方面に向けて南下していく。青森市内からアクセスしやすいので下北半島に比べて交通量が多い。ダイナミックな景色を見ながら2時間ほどで五所川原市に到着。そろそろ今宵のビバーク地を決めなくてはならないのだが、休憩も兼ねて五所川原市とつがる市の間にある十三湖近くの「しゃりき温泉」に入ることにした。「しゃりき温泉」は青森県つがる市車力町にある日帰り入浴施設だ。入湯料は320円。浴室、湯船ともに広々しているが内風呂のみ。ここも高温湯と一般湯があるが一般湯でも熱め。お湯はやや黄味帯びており、ちょっと塩気がある。地元の人が集う人気のある温泉だ。

 「しゃりき温泉」を出ると時間は午後3時40分。当初は五所川原市内で宿泊しようと思ったがなかなか見つからないので、十三湖から延びる県道12号線を南下したところにある「つがる地球村オートキャンプ場」に行ってみることにした。県道12号線をつがる市方面に向けて進み、国道101号線に出て五所川原市内に向けて少し走ったところにあるJR陸奥森田駅近くの道を右に入り、少し進むと目的地に到着した。
 「つがる地球村」は広大な敷地内にキャンプ場やホテル、コテージ、レストラン、テニスコートなどを併設した民営の複合施設。最初はちょっと怪しい感じがしたが、キャンプ場は広々としており、キチンと整備されている。おまけに場内には日帰り入浴施設もある。入場料は648円、サイト使用料540円。指定されたサイトはバイクを停めるには充分すぎるくらい広い。ちょっと贅沢な気分になれる。テント設営後、とりえあず買出しついでに駅方面に戻ったところにある「おらほの湯」に行ってみることにした。

 「おらほの湯」は青森県つがる市森田町森田月見野にある日帰り入浴施設だ。入湯料は通常は320円なのだが、この日は水曜日特価(湯っこの日)ということで150円だった(ラッキー!)。内風呂のみでお湯はやや黄味(茶色)がかっており、湯船が3つ縦に並んでいる。やはりここも高温湯と一般湯の組み合わせらしいが、どの湯船もお湯は熱め。親子連れも多く、地元の方は銭湯的感覚で入りにくるようだ。
 「おらほの湯」に入った後は国道101号線近くにあるスーパーまで買出し。戻ってから夕食を摂る前に、場内の日帰り入浴施設「つがる地球村温泉」に行ってみた。テントサイトからは徒歩数十秒。料金は500円(ちなみにホテル宿泊者は宿泊料金に含まれる)。内湯に加えてちょっとした露天風呂が設けられている。お湯は黒湯系で、鉱物系の臭いがかすかにする。やはりここも湯温は熱め。宿泊者以外の方も多く訪れている。キャンプ場内に温泉があるのはやっぱりいい。願わくはキャンプ場利用者なら入湯料が少し安くなってくれたらいいのにと思った。テントサイトに戻って夕食。宿泊者が少なく場内は静かで、東京と違って気温がそれほど高くないのでとても快適。空は晴れ渡っており、月夜にテントとバイクが照らされる。思いのほか素敵なキャンプ場だった。

 翌朝、朝食前に朝風呂に入る。テント泊で朝風呂に入れるなんて嬉しい。朝食を摂り、テントを撤収してキャンプ場をあとにする。今日はいよいよ最終日。東京に戻る前にまずは県道31号線を走って弘前市内に入り、桜の季節になるとニュースに出てくる弘前公園と弘前城を見学。その後、国道7号線を南下し、大鰐(おおわに)温泉に向かった。バイクに乗り始めた当初、大鰐温泉にあるキャンプ場に宿泊したことがあるものの温泉には入れなかった。その時のリベンジをいつか果そうと思っていた。
 大鰐温泉は青森県内でも有数の温泉地。共同浴場も数軒あるのだが、今回は国道7号線からアクセスしやすい青森県南津軽郡大鰐町にある「地域交流センター湯の駅『鰐come(ワニカム)』」を選んだ。入湯料は500円。立派な建物は観光施設も兼ねている。大浴場は「うぐいす」と「つつじ」の2種類あり、この日の男湯は「うぐいす」だった。浴室は広々としており綺麗。内風呂は中温、高温、薬湯の3種類だが中湯でも熱かった。源泉温度の高いお湯は無色透明。さっぱりした肌触りが特徴だ。岩造りの露天風呂は広く、ゆったりくつろげる。

 ようやくリベンジを果したところで、最後に訪れたのは、大鰐温泉から国道7号線を秋田県大館市方面に進んだ東北自動車道の碇ヶ関(いかりがせき)インター近くにある「道の駅きかりがせき 津軽関の庄」(青森県平川市碇ヶ関碇石)に併設された「関の庄温泉」だ。入湯料は350円。内風呂は小さめだが、縦に2つに分かれた湯船は風情のある木造り。分かれているものの、どちらも適温で入りやすい。お湯は無色透明で、ヌルスベ感のあって気持ちいい。これが今回の湯巡りの最後の温泉かと思うと寂しくなってきたので、思い残すことなくきっちり湯に浸かった。
 「関の庄温泉」に入ったところで5日間に渡った青森三半島湯巡りツーリングは終了。念願だった下北半島と津軽半島、さらに夏泊半島も巡ることができ、パーフェクトなツーリングだった。再びこの地を訪れるのはしばらく先になるだろうが、いつ来ても東北地方は面白い。入湯数は合計18湯。800湯まであとちょっとだが、年内に達成は無理そうなので、2019年に持ち越しになるだろう。果たして元号が変わるまでに800湯達成できるのか…。まずはその前に時間とお金を作ろう(笑)。


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国道280号線(バイパス)沿いにある「よもぎ温泉」。青森市内からそれほど遠くはないので、ちょっと足を伸ばすついでに訪れるのもいいかもしれない。
「よもぎ温泉」からさらに進んだ陸奥湾側の最北近くにある「湯の沢温泉ちゃぽっと」。近くには「平舘不老ふ死温泉」があり、いつかはそちらに入ってみたい。
三厩に向かう途中で撮影した国道280号線の風景。右手には津軽海峡が見える。想像以上の雄大な景色が続く。
地元に住む知人のお薦めで訪れた三厩にある「秀鮨」。特産の三厩マグロを使ったマグロ丼やお寿司もいいが、店主の話も面白い。
これが店主自慢の三厩マグロを贅沢に盛り付けた絶品のマグロ丼。東京でこれだけのネタを使ったらお値段はいくらになるのやら…。
ついに来ました津軽半島の最先端にある「龍飛崎」。津軽海峡を隔てて右には2日目に訪れた大間崎、真ん中よりやや右寄りに函館山、左には松前町が一望できる(はず)。
龍飛崎の近くには「階段国道」として有名な国道339号線がある。今回は時間がなくてパスしたが、いつか歩いてみたい。
龍飛崎碑の隣には石川さゆりの『津軽海峡冬景色』を記念した歌謡碑が建立されている。碑の前にある赤いボタンを押すと曲が流れる仕組みになっている。
龍飛崎から五所川原市方面へ向かう国道339号線沿いにある「眺瞰台」からつづら折りの道と日本海、さらに小泊半島を見たところ。想像以上にダイナミックな眺望だ。
五所川原市とつがる市に挟まれた十三湖近くにある「しゃりき温泉」。日本海が近いせいか、ちょっと塩気のある熱めのお湯だった。
「つがる地球村」近くにある「おらほの湯」は訪れた日が偶然にも水曜日特価で入湯料が半額の150円だった。ここのお湯も熱かった…。
4日目にビバークした「つがる地球村オートキャンプ場」。サイトは広々しており、駐車スペースは舗装されているので安心して停められる。
オートキャンプ場内には「キャンプ畑」があり、サイト利用者は無料で収穫できるという。家族連れや大人数で来た場合はぜひ収穫したい。


つがる地球村の敷地内に併設されている「つがる地球村温泉」。いいお湯だけに、オートキャンプ利用者が割引で入湯できるようになると嬉しいのだが…。 桜の名所として全国的にも有名な弘前公園と弘前城。観光名所としてはもちろん、市民の憩いの場となっている。


名湯・大鰐温泉のシンボル的存在である大鰐温泉「鰐come」。広々とした館内は温泉だけではなくお土産スペースや飲食スペースも充実している。 最後に訪れた「道の駅きかりがせき 津軽関の庄」内にある「関の庄温泉」。建物だけではなく館内も和風造りとなっている。

ブースカ的温泉評価
よもぎ温泉  ★★★★★
サラッとした肌触りのいい長湯に最適な温泉。
湯の沢温泉ちゃぽっと ★★★★
津軽半島を訪れたら入っておきたい温泉。
しゃりき温泉  ★★★★★
期待を裏切らない熱めのお湯が注がれている温泉。
おらほの湯  ★★★★★
銭湯感覚で気軽に入れる地元に人気の温泉。
つがる地球村温泉  ★★★★
キャンプ場利用者にはありがたい場内に沸く温泉。
大鰐温泉「鰐come」 ★★★★
名湯にふさわしい良質なお湯と充実した館内施設。
関の庄温泉  ★★★★
ツーリング途中にぶらり立ち寄れる入りやすい温泉。
※あくまで個人的な評価ですので、ご参考までに。

毛野ブースカ毛野ブースカ
トイガンとミリタリーの最新情報誌の編集ライター。バイクに乗り始めてから温泉が好きになり、現在までの温泉踏破数は796湯。湯巡りツーリングの相棒はホンダ・400X。ちなみにマイカーはスズキのエスクードだ。


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