World Ducati Week 2018

 
7月20日から22日までの3日間、イタリアのミザノにあるミザノ・サーキット・マルコ・シモンチェリで「第10回 World Ducati Week(ワールド・ドゥカティ・ウィーク、以下WDW)」が開催されました。WDWは2年に一度ミザノ・サーキットで開催される、ドゥカティによるドゥカティ・オーナーのための世界最大のイベント。今年は3日間合計で9万1596人が来場。前回を1万人以上上回り、来場者数の記録を塗り替えました。そこに僕は初めて参加。イタリアン・レッド(それとスクランブラー・イエロー)にすっかり染まって帰ってきました。

■レポート・撮影:河野正士 ■Ducati Japan 

 突き抜けるように青い空と真っ赤なバイク。スーパースポーツであってもネイキッドであっても、それに跨がるライダーたちは短パンにTシャツのバケーション仕様。もちろん満面の笑顔で溢れている。僕のWDWのイメージは、まさにこれでした。そして現地に行って、その理由も分かりました。それは、とにかく暑いから。個人的には、猛暑と言われる東京と変わらない感じ。湿度が低いので日陰に入れば少し涼しく感じますが、日射しは強くカラダに突き刺さる感覚なのです。

 そんなミザノ・サーキット・マルコ・シモンチェリで、朝から夕方まで、いろんなコンテンツを見て回り、仲間とワイワイ騒ぐには、バケーション仕様の短パンとTシャツが必須というわけです。ほとんどの参加者が近隣ホテルかキャンプサイトに宿泊しているので、移動はそこからの短い距離。軽装で行きたくなる理由も分かります。

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↑ヘルメットを脱いで、入場ゲートの顔認証ゲート待ちの来場者たち。カメラを向けただけで、こんなポーズをとってくれます。そしてゲートを抜けサーキット内に入れば、もうドゥカティだらけなのです。

 そして会場が近づくと、四方八方から無数のドゥカティが集結。その密度がドンドン高まっていくと、それにあわせて気分も上昇していきます。単一メーカーのオーナーイベントは、変わらずこんなイメージなのですが、周りに溢れているバイクがレッドやイエローのカラフルなボディをまとっていて、それにバケーション仕様のライダーたちが重なると、他ブランドのオーナーイベントにはない、ドゥカティならではの雰囲気を感じるのです。なにより皆、底抜けに明るい。

 今年はセキュリティが強化されたため、入場ゲートに顔認証カメラを設置。そのために入場ゲートから少し離れたサーキット入り口でヘルメットを脱ぐように指示されます。その後、パニアケース付きバイクや大きめのバッグを持ったライダーは、すべて金属探知機を使って中身をチェックされるのです。そのため入場ゲート前は大渋滞しているのですが、そこで皆は、イライラしている感じがない。その渋滞している様子を撮影しようとすると、勝手に歓声が上がり、それに後続が答えて歓喜の輪が広がっていくのです。この歓喜の輪の伝播は、会場のあらゆる場所で感じることができました。

↑強い日射しに生えるイタリアンレッドのマシン。それに跨がる“夏”仕様のバイク乗りたち。この姿はWDWの代名詞、と勝手に思っておるのですが……いかがですか?

 もうひとつ驚いたのは、その規模の大きさ。メイン会場のミザノ・サーキット・マルコ・シモンチェリとは別に、ミザノ、リミニ、カットリカ、リッチョーネの各自治体と、サンマリノ共和国の協賛を得て、各地でもイベントが開催されていたこと。ミザノ・サーキットを一周してからリミニの街を目指すパレードランは、参加者が多すぎてコースインするまでに1時間以上を要しました。そこからリミニまでのパレードも……想像通りです。またパレードのゴールでは「スクランブラー・ビーチパーティ」が開催され、会場となったビーチ&マリーナはディスコ状態(←表現が古い)。また土曜の夜はリッチョーネのローマ広場に巨大なステージを造り上げ、ワークスライダー&レジェンドライダーのトークショーのあとは、音楽コンサートも開催されたのです。

↑リミニのビーチ&マリーナで開催された「スクランブラー・パーティ」。僕たちは来場が遅れてBBQは終わってしまっていましたが、会場はまだ熱気に包まれていました。ビーチエリアには巨大なDJブースがあり、大音量でダンスミュージックがかかり、お酒を片手に踊ったりお喋りしたり……また手前のレストランエリアも、深夜まで賑わっていました。そしてマリーナの中も外も、ドゥカティだらけです。
WDWのメイン会場であるミザノ・サーキットにはビンテージ・ドゥカティ・エリアがあり、そこにはベベルやパンタ、単気筒モデルを展示。もちろん、そんなビンテージ・ドゥカティで来場したライダーも大勢居ました。

 ワークスライダーたちによる、パニガーレV4Sのワンメイクレース「レース・オブ・チャンピオンズ」では、イタリア空軍のアクロバティックチーム「フレッチェ・トリコローレ」が飛来し、イタリア国旗カラーのスモークを焚いて会場を盛り上げるなど、少しオーバーな表現ですが“このイベントに国家単位で協力しちゃうのかよ!?”的な驚きとともに、うらやましさを感じたのでした。

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↑リッチョーネにあるローマ広場で開催された「サウンド・オブ・パッションナイト」。巨大なステージにドゥカティ首脳陣のほかワークスライダーが登壇し軽くトークショー。その後は音楽ライブが行われました。

 サーキット内のコンテンツは後ほど紹介しますが、ドゥカティ×サーキットイベントと言えば、エキシビションレースがメインディッシュになるのは当然。しかしエキシビションレースは、ライダーと観客が完全に区分けされ、なんとなくもの悲しい気持ちになってしまうのですが……でもWDWは違っていました。参加するレーサーたちの心意気なのか、それを支える観客たちの純粋さなのか、何が違うのかは分かりませんが、両者の間に壁がなく、一体感を感じたんですよね? もちろんメインイベントである、パニガーレV4Sのワンメイクレース開催時も、他のブースにはレースそっちのけで楽しんじゃってる人たちも大勢居るわけです。

 皆、それぞれのカタチでドゥカティを楽しみ、ドゥカティを支えている。WDWに参加して、そういったファン層の厚さを感じたのでした。

 それでは会場の様子を紹介しましょう。

↑「Preview Room(プレビュー・ルーム)」は、今年11月に開催されるEICMAミラノショーで発表予定の新型車を特別にチラ見せ。当然、携帯電話やカメラの持ち込みはNGでした。で、展示されていたのは……11月までお待ち下さい。
↑MotoGPやスーパーバイク世界選手権を戦うワークスライダーたちが、パニガーレV4Sを駆りガチンコ勝負する「Race of Champions=レース・オブ・チャンピオンズ」。そのオープニングにはイタリア空軍のアクロバティックチームが飛来し、レースに花を添えました。またレースに参加した、スペシャルカラー&スペシャルパーツを装着したマシンは、その後eBayでオークションに掛けられ、落札者に販売されました。
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↑アメリカのパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムレースで今年、この新しくなった「ムルティストラーダ1260」を駆ったカーリン・ダン選手がコースレコードで優勝。このマシンは、まさにそのコースレコード樹立マシンです。
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↑今年デビュー25周年を迎えたモンスターは、その記念モデル「モンスター1200 25°アニバーサリオ」を展示。またモンスターをベースにしたカスタムコンテストも開催されました。
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スクランブラー・エリアには、各スクランブラーモデルのほか、初日に開催されたワークスライダーたちによるフラットトラックレースに使用された、スクランブラー・ベースのカスタムマシンも展示。さらには垂直に立てた木製円錐の壁を走る「ウォール・オブ・デス」も開催。通常は軽量な旧車を使用しますが、ここでは特別に2台のスクランブラーが同時に壁を走りました。
またスクランブラー・エリアでは、今年で2回目となる、カスタムコンテスト「カスタム・ランブル」の決勝を開催。審査員の採点により、ディーラー・クラスでエントリーしていたポーランドの「Eastern Spirit Garage」が王者の座を獲得が獲得しました。あ、私も審査員で参加しました。
↑ドゥカティ・ブランドのさまざまなアイテムも展示。バリカンまであるんですね!
↑インターナショナル・エリアには、各国のドゥカティがブースを展開。日本からはドゥカティ・ジャパンのスタッフが習字を披露。参加者の名前を漢字で描き上げました。また金太郎飴もプレゼントしていました。
↑今年は世界73カ国から、9万1596人がミザノにやってきたそうです!


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