2018年7月13日 

■ホンダ+パナソニック 電動スクーター PCXエレクトリックによるバッテリーシェアリング検証…事業化目指しインドネシアで

 ホンダがついにEVバイク普及に向けた実証実験を行うことになった。今年度に国内でもリリースを予定する電動スクーター『PCXエレクトリック』約300台を使って、今年12月からEVバイクの事業化を視野に入れて検証を開始する。

 実証実験のポイントは、実験エリア内数十か所に設置した充電ステーションを活用することにある。PCXエレクトリックに使われるリチウムイオン電池は車体から切り離すことができるモバイルバッテリーで、実験では充電切れになりそうになったら、充電済みの別のバッテリーと交換する使い方を想定する。充電インフラとセットにすることで、充電時間0分でリスタートできることを特徴にする。

 ガソリンエンジンをモーターに置き換えたEVバイクを、バイクメーカーが単に供給するだけは、EVバイクはなかなか普及しないと考えられている。そのため充電ステーションと組み合わせたインフラを整備することは、魅力ある車両の供給と同じぐらい重要になってくる。

 付加価値を最大限にするためには、ライダーに充電ステーションの場所やステーションに用意されたバッテリーの充電状況などの情報を伝えるわかりやすいシステムや、バッテリー交換の状況に応じた各ステーションの配置や給電調整の検証などを行うシステムなどICT技術を最大限活用して、システムを確立しなければならない。実証実験はそのための使用データの蓄積や分析のためにある。実験は2021年前半まで2年以上続く。

 悔やまれるのは実験が国内ではないことだ。世界第3位のバイク市場を持つインドネシア、その西ジャワ州バンドン市と、バリ州デンパサール市・同バドゥン県クタ地区で実施される。ホンダのバイクはガソリン車でトップクラスのシェアと知名度を誇る。インドネシアは2025年までにEVバイク210万台(EV四輪は2200台)を生産することを目標に掲げている。アジア諸国はいずれの国も電動化の法的なインフラも整っていない。

 ホンダとパナソニック、そして建設コンサルタントのパシフィックコンサルタンツの3社は、この実証実験のための新会社「Pt.HPP Energy Indonesia」(ジャカルタ市)を設立。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から費用の一部の助成を「「分散型エネルギー資源としての可搬型蓄電池シェアリング実証研究」受けることが決定している。NEDOの負担額は最大で10億円だ。

 また、この実証実験では北米などで販売されている四輪バギー「サイドバイサイド」を電動化した改造車両も数台投入する予定だ。モバイルバッテリーの利便性を検証する。

●レポート-中島みなみ

国内でもリリースされる予定の電動スクーターPCXエレクトリック。写真は2017年の東京モーターショーで発表されたモデル。
着脱式可搬可能なモバイルパワーパック。 充電ステーションのイメージ。