第11回ジャパン・ベテランズ・モトクロス オトナの祭典 ジャパンVET 優雅な競り合いは年の功。

●文・写真:高橋絵里

2017 第11回ジャパン・ベテランズ・モトクロス・チャンピオンシップス
開催日:2017年5月7日 会場:埼玉県ウェストポイント オフロ-ドヴィレッジ
主催・運営:ウェストポイント スーパーバイザー:伊田井佐夫(KAMIKAZEスポーツ)

30歳からのモトクロスは、とにかくエンジョイ! あの先輩がまだ元気に走っているからオレもまだまだエンジョイ! 何歳になっても生涯エンジョイ! というわけでゴールデンウィーク恒例のオトナの祭り『ジャパンVET』がオフロードヴィレッジで開催された。VETとは年齢がベテラン、という意味。オジサンと言われても、還暦を過ぎても、孫が生まれても走る。やっぱりモトクロスは最高だ!

 ゴールデンウィーク最終日は絶好のモトクロス日和となった。全日本選手権も開催される本来テクニカルなこのコースは、この日のためになだらかにコンストラクトし直され、きれいに整備された路面も”ほどよくドライ”で申し分ない。
 今年も北は北海道から南は沖縄まで、30歳から79歳までの135台が集まって、11年目の“ジャパンVET”が賑やかに開催された。
 30歳以上ならばとにかく誰でも気軽に出場できるのがジャパンVETの魅力だ。車種も排気量も自由で、10歳刻みの年齢別と、ノービス・インターミディ・エキスパートの技量別のクラス分けがあり、自分の年齢とレベルに合わせてエントリーできる。さらに特設クラスとしてビンテージやミニモト、2ストなどもある。だから実に色々なライダーと様々なマシンがいる。
 念願の初出場という人も多いし、中にはこの日がモトクロスレースデビューという人、長年のブランクを経て復帰を遂げた人もいる。それでもスタートラインでMCてっぺーさんからフルネームでライダー紹介を受けて、温かい拍手をもらうと、恥ずかしいけれど嬉しくてレースへの気合いもアップ。
 一方でリピーターの面々は、毎年のように同じクラスで競い合っている同年代同レベルのライバルの存在を密かに意識していて、今年も無事再会できた笑顔や談笑の裏側で勝負への火花もチラホラ散らしていたりする。走るからには本気! 勝ちに行く! この日のために1年練習してきた! という熱血ライダーもいて、でも明日からまた仕事だからケガのないようにね、と誰かがさり気なくフォローしてくれる。
 すべてのクラスで誰もが年齢相応の全開を楽しんだ。トップバトルのドラマが繰り広げられ、新チャンピオンが誕生し、あるいは昨年のディフェンディングを根性で守り通して、お祭りイベントというわりになかなか激しい。これこそがモトクロスの醍醐味だ。


 レジェンド限定のVETクラスが始まると、他のエントラントはみな観客にまわる。ウェストポイント社長である81年全日本チャンピオン福本敏夫さんが、スクールの校長先生らしくきれいなターンからの加速。BAJAマイスターの唐沢栄三郎さんが粘り強く追い上げる。トモさんこと吉原朋正さんが高々とジャンプを決め、ワールドVETライダー伊田井佐夫さんが+40ライダーをパスする。一緒に走るのだからたいへん貴重なシーン、皆さん還暦を過ぎてもバイク界で情熱を注ぐ、世界に誇るレジェンドたちだ。
 79歳の新津栄一MCFAJ理事長も2ヒート元気に走りきった。日本にも欧米のような『モトクロス殿堂入り HALL of FAME』があってもいいのになぁ、という声がどこからともなく聞こえた。


スタートダッシュから第1コーナーへとなだれ込む、ノービス+50・+60・+70クラス。つまり全員が50歳代から70歳代なわけで、この迫力、恐れ入る。


全日本も開催される日本屈指のコースで抜きつ抜かれつの激しい接近戦。昔取ったキネヅカ諸氏には何歳になってもこの競り合いが堪らないらしい。

2ストロークマシン限定のスーパー2クラスも1ヒート制で特設され、なかなかの人気。ファンは「あのピーキーなサウンドとオイルの匂いが」懐かしい。


福本敏夫さん(左)に吉原朋正さん(右)、レジェンドの走りも見られるジャパンVET。実に「あれから40年!」なんだけどとにかく上手い、速い。



ジャパンVET恒例のレジェンド表彰は、90年代にスズキファクトリーで活躍した松田強氏が受賞。40代最後となるVET+40クラスを激走し、ステージトークでは現役時代の思い出などを披露した。かつてジャパンスーパークロスで5万人の観衆がツヨシコールの大ウェーブに湧いた話は日本MX界の伝説。当時の現場を知るてっぺーさんが聞き手だけに深イイ話が連発。現在の松田氏は故郷の沖縄でNPO法人『こども安全運転振興会』理事長、MXコース『イマナゴクロスフィールド』オーナーとして活躍する。


「そりゃ確かに疲れるけどさ、でも面白いンだよねモトクロスは」(70歳代の御大おふたり)。 明日からまた仕事ですから「安全にぶっ飛ばします!」あっ右は歌手の尾形大作さんだ。

ビンテージクラスで毎年本格的なコスプレで楽しませてくれるホーリーエクイップ堀口社長。76年RC250レプリカでヒート1は吉村太一さんに、ヒート2は金髪ロン毛のマーティ・スミスになりきった。


あちこちにコリや痛みを訴える中高年ライダーに向けて特別開設された『ボディメンテナンス3110』のワンコイン整体サービス、なかなかの盛況。 『円陣家至高油類商(えんじんやしこうゆるいしょう)』のチェーンオイル注入サービス。スタート前、池邊社長に注射器でプチプチ注入してもらう。


VET+60クラス優勝の伊田井佐夫さん、イベントスーパーバイザーとしてお手伝いにも奮闘。前日61歳になり、今夜は仲間と誕生会全開。 88XR250でレボリューション1クラスを制した笑顔はデルタオートモーティブの青木社長とライダーの野口さん、名門チーム ハニービー!。


すべての後輩ライダーが「自分も70歳になってあんなふうに走っていたい!」と憧れる、アメイジングな+70の表彰台。最高齢は新津栄一さん79歳。

初出場もレジェンドも 笑顔がイケてるVETライダー



「久々のオフロードヴィレッジで」
藤城さん VET+40クラス
2月のジャパンマスターズに続きジャパンVETにも初参戦、カムバックライドが本当に楽しそうな藤城さんは90年代チームグリーンで活躍した元IAライダー。「実際に走ると今の現役ライダーは凄いなと思った」と全日本コース攻略にちょっとマジ。
「お祭りイベントが楽しい」
松崎さん インターミディ+40クラス
社会人になってからウェストポイントが主催するスクール『モトクロスごっこ』に参加したのがモトクロスとの出会い。レベルアップするほどにサンデーレースに出るのが楽しみになり、ジャパンVETは今年初参加、みごと表彰台もゲットした。


「腕立伏せと腹筋運動が日課」
古屋さん エキスパート+60クラス
コヤさんは北海道から、所有するバスにマシンを積み込んで仲間とフェリーで遠征してきた。地元では全道MX選手権やエンデューロなどほぼ毎週走る。元気に走り続ける秘訣は仕事の合間に続けている腕立て伏せや腹筋運動だそう。
「レースはジャパンVETだけ」
岡田さん ノービス+50クラス
10代の頃からレースを走り、一時のブランクがあったものの38歳で復活、リターンライダーで楽しみ、ジャパンVET出場は「3年ぶり、6回目」と細かいデータも即答してくれた岡田さん。実はイベント協賛企業である㈱大地の社長様。


「30歳になってから毎年出場」
松本さん インターミディ+30・スーパー2クラス
元国際B級ライダーの36歳、今は奥様とお子さんの応援を受けながらサンデーMXを楽しむお父さん。この日もダブルエントリーで走りまくり、インターミディのヒート2で堂々の1位フィニッシュ、かっこいいパパをアピールした。
「とにかく楽しんで走ります」
国立さん VET+40クラス
元国際A級で活躍したコクリュウさんが2児のお父さんになってジャパンVET初出場。「速く走るのは(現役時代で)卒業したので、これからは楽しみながら」そう言いながらもやはりかつてのライバルには負けられない、とクラスピンピン優勝。


「モトクロス歴? 51年!」
来田さん エキスパート+60クラス
半世紀を越えたモトクロスライフを元気に謳歌するのは、人呼んで『ジャンプのクルタさん』、いつでもどこでも思いきりよく飛んでいく67歳。エネルギッシュな走りに後輩ライダーたちは驚き、刺激され、勇気とパワーをもらう。
「モトクロス、今日が初めてなんです」
グッチーさん ノービス+30クラス
いつもはエンデューロを楽しんでいるが、レジェンドの吉原トモさんに誘われてこの日は記念すべきモトクロスデビューを果たした。エンデューロライダーらしい粘りの走りでみごと総合2位表彰台をゲット、おめでとうございました!

協賛:、アンリミットモトフィールド榛名、、、、、、、エムズ、、、、、、ダートアクツユニオン、、、、東希和商会、、、、、、ホンダシーエス、松建、、陽和組、ヨコヅナレーシング、(敬省略)

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