年齢を越え、国を越えてベテランMX世界大会 32nd Annual DUBYA World VET Motocross Championships

KMJ

 モトクロスライダーなら一度は走ってみたい、走ればその何もかも雄大な魅力に身も心も奪われてしまうグレン・ヘレン。ここはカリフォルニアを代表する、屈指のジェットコースターコース。あぁグレン・ヘレンよ、今年もまた第1コーナーにそびえる壁バンクの、5速全開絶叫ダウンヒルの、フィニッシュまでの長い長い周回の洗礼を受けに来た。それでも中高年サンデーライダー向けにレイアウトされた路面は、ナショナルの時とちがいマイルドでなだらかに配慮されている。だから、攻めちゃえ! 攻めまくれ! とけしかける強気と、慎重に行け、なにせここはグレン・ヘレンだと戒める弱気の葛藤。スタートに並べば、みな同年代の同レベル同士、両隣りの笑顔と陽気な握手やハイタッチの挨拶を交わして、いよいよ緊張のレースが始まる。


1日28ヒート消化、クラス混走、2列スタート、3列スタートは当たり前。正面が伝説の第1コーナー切り立つ壁バンク、突っ込め!
↑AMAナショナルでも活躍したニュージーランド人ライダー、ダリル・ハーリー選手がワールドVET初登場で+40プロクラスを制した。
→カリフォルニア在住の元IAライダー、辻健二郎選手が並みいる強豪相手に+40プロ3位に入る健闘、一躍注目のマトに。


イギリス出身のWGPレジェンド、カート・ニコル選手は+50プロでぶっちぎりの優勝、+40プロでも堂々の2位に入った。いつでも優しい笑顔、現在も週2回はライドしてスピードと体力をキープし続ける52歳。
↑ラルス・ラルッソン選手はスウェーデン出身、サンディエゴ在住の75歳。2日間4ヒートを元気に走り、日曜は恒例のレジェンド表彰を受けた。
→54歳になったロン・ラシーン選手が+40プロで5年ぶりにワールドVET登場。コース脇の応援は相変わらずの一番人気だ。

+40プロクラス、向かって左から2位カート・ニコル選手、優勝ダリル・ハーリー選手、3位辻健二郎選手。シャンパンファイトはAMAナショナル開催時と同じポディウムで!

 HAVE FUN! 土曜と日曜の2日間ともが決勝日で、午前と午後の1日2ヒート制。1ヒートを走り終われば、パドックでは順位のことよりもいかに楽しかったかの会話が広がる。おもいきって開けて、まさかのジャンプも飛びきって、アイツと競って、ホントに最高だぁ! 次のレースはもう少しイン側のグリッドを選ぼうか、例のコーナーはアウトから行ってみようか。年齢別と技量別によるクラス分けは各年代ノービス、インターミディ、エキスパートとあるが、さらにその上に『特別な』プロクラスがやはり年齢別に+30・+40・+50とあり、これは元AMAライダーや元WGPライダーが走る賞金レースで、観戦もまたワールドVETの大きな楽しみだ。特に+30プロはほぼ現役並みのスピード、キレッキレのトップバトルも見せてくれる。


+30プロクラス、ジョシュ・コピンズ選手とマイク・スリーター選手が気合いの入った空中バトル。楽しむとはいえ総額6000ドルの賞金レース、元プロ同士の意地がチラリ。



↑チャック選手vs伊田選手のプレミアムなバトルはワールドVETのお約束シーン。MTB好き、60歳同士の勝負はこれからも続く。
←人気レジェンドのチャック・サン選手。今年は2ストのTM300でFASTHOUSEウェアに身を包み、+60エキスパートに登場。
→日本から毎年参戦中の伊田井佐夫選手も60歳、日曜の勝利を目指すが世界の壁は厚く「悔しい、また来年もっと鍛えていくぞ!」

エントリー1300台(2日間延べ)、年齢別・技量別に計30クラス、1日28ヒート、ウェイティングエリアは終日この光景だ。前のレースがまだ終わってないのに次のレースがスタートしてしまう、なんとも豪快なグレン・ヘレン。

 海外から参加するサンデーライダーにとって、現地でレンタルバイクを利用してレースを走れるのはとてもありがたい。カリフォルニアにはそのようなレンタル&サポート会社が多く、1年を通してレース参戦や練習合宿など短期から長期まで様々なパッケージを提供している。ワールドVETなら、事前に希望マシンをリクエストして、たとえば木曜のスポーツ走行、金曜の公式練習と土日の決勝レースにバイクをレンタルし、自分のギアだけ持ってグレン・ヘレンに行けば、そこには自分専用のバイクとメカニックとピットが用意されているというわけだ。整備と洗車、給油もすべてメカニックにお任せ、フリードリンクとランチ付で寛ぐ雰囲気はちょっとしたワークスライダー気分。予約や支払はすべてweb上でおこなえる(ただし英語)。



さぁ出番だ全開だ! 張りきって行ってみよう! HAVE FUN! 『スポンサーは私の奥さんです』と書いたトランポ。新車購入に際しては奥様に優しさの限りを尽くすとか。いい話だねぇ。


こちらはワールドVETオリジナルロゴ入りジャージ。キッズまでお揃いで決めたメキシコチームのファミリー。 ダーリン頑張ってぇ! パパがんばってぇ! 家族の応援もワールドVETならではの微笑ましい風景。

お母さん、応援にも力が入ります。そして勝利のガッツポーズ!


フレアペイントがいかしてる、特注シェードもビッグサイズ、カリフォルニアのパドックには派手な巨大トランポが良く似合う。 レンタル&サポート『モトクロス・ヘブン』。トレーラー室内はキッチンとベッド、シャワー完備、シェフ付きのまさに動くホテル。



エルシノアにガレージと宿泊ロッジ棟を持つレンタル&サポート『モトクロス・バケーション』。3枚目のデイブ社長が「来年もまた来てね! きっとだよ! バイクそろえて待ってるよ!」

YOUはどこからワールドVETへ?


グレッグ・ジョーンズさん オーストラリアのメルボルンから。+35ノービスに挑戦の39歳。「初めてのワールドVET、アップダウンが最高だね」 ラファエル・リベラさん カリブ海のプエルトリコから。パドックにひるがえる自国の国旗をバックに。+45ノービスで3位獲得おめでとう!


スコット・クーニーさん アイルランド出身、元プロライダーの52歳。「グレン・ヘレンはアメリカのベストコースだよ!」 ピーター・ローレンスさん アメリカのユタ州から飛行機で、+50ノービスでワールドVET初挑戦。「楽しんでるよ!」


ゲヴァン・ペンゲリーさん オーストラリアのメルボルンから。「サンド質で斜面がたくさんあってグレン・ヘレンLOVE!」 チームカナダの皆さん。アルバータ州から飛行機で、カリフォルニアにバイクとガレージを持つリッチな実業家揃い。

 今年、ワールドVETに挑戦した日本人ライダーは辻健二郎選手、大内健八選手、チャンドラー佐藤選手、伊田井佐夫選手、古田信弘選手の5名。辻選手、伊田選手、古田選手はマイバイクで、大内選手と佐藤選手はレンタルを利用し、初出場は大内選手、2回目が辻選手、あとの3人は現地でもすっかり顔を知られたリピーター。みなグレン・ヘレンとワールドVETに魅せられ、走り終えた瞬間から『来年はもっとあーしてこーして・・・』と作戦を練る熱心さ。何がそこまで惹きつけるんですか? 「コースが凄い、会場の雰囲気も、周りのライダーもとにかく全部がスゴイ!」「楽しすぎる、やっぱりカリフォルニアだよ!」「みんなもぜひ挑戦したらいいよ!」打ち上げの夜は賑やかに更けていった。将来的に日本からの参加が増えて、参戦&観戦ツアーが成立するといいですね!

2016ワールドVET 参戦日本人ライダー
#88 辻健二郎選手 +40プロ3位 
#634大内健八選手 +45インターミディ 土:総合18位 日:総合16位
#34 チャンドラー佐藤選手 +50エキスパート 土:総合16位 日:総合5位
            +55エキスパート 土:総合6位  日:総合4位
#130伊田井佐夫選手 +60エキスパート 土:総合1位 日:総合2位
#75古田信弘選手  +70ALL 日:総合4位

●ワールドVET、レンタルバイク等の情報はオフィシャルサイトからご覧くださいで